水中ドローンで海難救助?
- 2022.02.05
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みなさまこんにちは。
今回は、これからの海難事故には必須となる水中ドローンの海難救助活動で活用する方法を説明していきたいと思います。
海難救助現場での水中ドローンの活用は、日曜劇場『DCU』でも多用されているので、注目が集まってきているところだと思います。
筆者である私は、今はこうやってドローン関係の仕事をしていますが、以前は、海上保安庁に勤めていたので、リアルな視点で救助活動と水中ドローンのついてお話ししていきたいと思います。
2ー水中ドローンの活用
3ーまとめ
海難救助とは、海で起こった事故に対して、海上保安庁、消防、警察などの救助機関が救助活動をおこなう。
海で起こった事故であれば、基本的には海上保安庁が指揮をとって救助活動にあたる。
事故が起きてからの大まかな流れを説明しよう。
海上で事故が発生して海上保安庁に通報が入ると、事故現場に一番近い巡視船が出港し、現場の確認に向かう。
事故の規模や事故発生時間によって変動はあるが、船は通報を受けて出港まで30分ほど要する。
そこから事故現場に向かうことになるのだが、事故現場到着までの平均は1時間ほどだ。
この時点で、事故発生の通報から1時間30分ほど経過している。
この事故が人が行方不明になっている事故だった場合、事故現場付近の捜索を船で開始する。
巡視船で捜索する場所は、通報の場所付近やその付近の潮流を予測することにより、予測範囲の捜索を重点的におこなう。
一般の人は、海上保安庁の職員は、みんな海に潜って潜水活動をする潜水士だと思っている方が多いだろうが、海上保安庁の中に潜水士は約1%しか存在しない。
こういった事故があった時には潜水士は遠方から派遣されてくることが多いため、潜水士が到着し潜水捜索をおこなうまでは、それなりに時間がかかってしまうことになるのだ。

1の状況の場合、巡視船職員の目視による捜索は、行方不明者を全体的に見つける手法として適しているが、それと並行して潜水士が到着するまで、巡視船の接近が難しい浅瀬や岩場を水中ドローンを活用して捜索することが可能だ。

潜水士が現場に到着すると、潜水士が海中の捜索を始める。
こういった場合には、まずは潜る場所の事前調査を水中ドローンでおこなう。
海は、中に入ってみないと潮の流れや地形などが分からないため、潜水士が捜索する海域を水中ドローンで事前調査することにより、安全性が上がり安心感も生まれるだろう。
そしていざ、潜水士が潜水活動をおこなう時には、潜水士と水中ドローンが共に潜水することで、地上の職員もモニタリングすることができ、情報共有をしながら捜索活動をおこなうことができる。
その他の活用用途としては、潜水士の潜水時間には制限があるが、水中ドローンはバッテリーさえ替えれば際限なく潜水できるため、半永久的に捜索を続けることができる。
船の衝突事故では、衝突現場で船の損傷具合などを確認するといった活用方法もある。
海難救助活動における水中ドローンの活用は枚挙にいとまがない。
そのぐらい海上保安庁を始めとする救助機関には水中ドローンの活用は必須だ。
日曜劇場『DCU』では、海上保安庁が水中ドローンを活用しているが、実際の海上保安庁ではまだ導入すらされていないのが現状だ。
海上保安庁が水中ドローンを導入すれば、救助活動に限らず、他業務の拡張・安全性向上につながることは言うまでもない。
是非、日本国民と日本の海を守るためにも、海上保安庁には水中ドローンの導入を推し進めて欲しい。
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