水中ドローンで船舶点検
- 2022.01.27
- BLOG
みなさまこんにちは。
今回は、水中ドローンによる大型船の船舶点検における活用方法について、実例を交えながら解説していきたいと思います。
2ー船舶の点検
3ー水中ドローンによる船底の点検
4ーまとめ
船の大型船は、車と同じように用途によって沢山の種類や大きさの船が存在する。
今回は、20トン以上の船を大型船として進めていきたいと思う。
大型船として、一般的に知られているのものは旅客船や貨物船などがある。
旅客船は、フェリーなど人の移動手段として活用され、貨物船は、コンテナ船、自動車運搬船、タンカー、木材運搬船など運ぶものによって船の形状が異なる。
貨物船は、海外や国内の港で貨物の積み下ろしをしながら、年間を通してほとんどの時間を海の上や港で過ごすことが多い。
コンテナ船

タンカー

船も車と同じように定期的な検査が定められていて、この検査制度について詳しく説明すると長くなるため割愛させてもらうが、基本的に年に1回、ドックという船を修理する場所に陸揚げして、点検・修理を行うのが通例でその時に船底のメンテナンス等を入念におこなう。
対して、ドック以外の時期で船底の点検が必要になるのは、
・数ヶ月に1回の船底の状況の確認
・プロペラに異常があった場合
・衝突などの事故をしたとき
などであり、これらの点検を水中ドローンを活用することにより、より安全に効率的に点検を完遂することが可能だ。
現在これらの点検は、ダイバーによっておこなわれており、高度な作業を要する点検以外は、水中ドローンによりおこなうことが安全性やコストの面でも有効的となってくる。
船底点検をするにあたりどの部分を点検するかは用途によって異なるが主に
・プロペラ
・舵
・バウスラスタ
・全体の外板
の点検が必要となる。
点検方法は2通りあり、
① 船が着岸している岸壁から水中ドローンを投入する方法
② 小型船を使って点検箇所に接近し、水中ドローンを投入する方法
であり、基本的には②の方法をおすすめしたい。
①の方法であれば、着岸している船の片舷を確認することはできるが、逆舷を確認することができない。
①の方法で船底から逆舷に回り込む方法もあるが、水中では視界が悪く、加えて、カメラが船のどこの部分を捉えているのかも分からなくなってしまうため、逆舷に回り込めたとしても、目的物にたどりつくのはとても難しい。
船底を撮影する場合は、ドローンが船のどこを撮影しているのかを把握することが大事であり、カメラで捉えている映像と操縦者又は補助者が目視によりドローンの位置を把握し、常に位置を頭の中で整理しておくことが重要だ。
②の方法のように小型船で点検したい箇所に出来るだけ接近して、ドローンを投入し、頭の中で船とドローンの位置関係を整理しながら点検していく方法が容易かつ効率もいいだろう。
船のプロペラ①

船のプロペラ②

2022年1月現在、大型船の船底確認を水中ドローンで行っているケースはほとんどない。
私自身もまだ数回しか経験したことがなく、もう少し普及するには時間を要するだろう。
ダイバーの人口減少や高齢化が進む中で、水中ドローンの活用によって人材不足が解決するだけではなく、ダイバーにとって、危険性の高い船底の点検を水中ドローンで行うことにより安全性が高まることを考えると、船底点検に水中ドローンは必須のツールとなるであろう。
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